Mikatus を退職しました。最盛期には、エンジニアとデザイナーのマネージャーとして、30名近くのマネジメントを経験させてもらいました。そのような3年半を振り返りつつ、「これまでのこと」と「これからのこと」を退職エントリとして文章にしてみました。
これまでのこと
2016年の5月に業務委託のエンジニアとして参画し、2017年の2月に正社員になりました。業務委託のエンジニアとして仕事をしていた頃から数えると、4年3か月という期間を Mikatus で過ごしたことになります。
業務委託として働いていた時期にも、オフショア開発からの内製化があり、社長交代があり、怒涛の変化を目の当たりにしました。そのような変化の最中に僕は「開発のリーダーをやらせてください」というようなことを言って、正社員として参画することになります。
正直なところ、チーム開発におけるプログラマーとしての経験やテックリードとしての経験すら浅く、エンジニアリングマネージャーとしての仕事は手探りでした。テクノロジマネジメントは、メリービズで CTO をやらせてもらっていた経験からある程度の方向性は見えていました。一方で、ピープルマネジメントは、本を読んだり、人から学んだりしながら、試行錯誤を重ねることになりました。
結果として、それなりの規模にエンジニア組織が成長し、各プロダクトチームにテックリードを配置し、新規事業のチームにエンジニアを振り分けられるまでになりました。エンジニア組織のみならず、デザイン組織の立ち上げにも関与することができ、デザインリードを採用し、デザインの種を蒔くこともできた気がしています。
よいメンバーに恵まれたこともあり、順調に成果の出た3年半だったと思います。プロダクト開発グループのグループリーダーとして、またデザイングループのグループリーダーとして、確固たる軸を持ち、一生懸命に走ってきた3年半でもありました。
エンジニア組織とデザイン組織が自走できるようになり、自分のやるべきことをある程度果たせたかなと感じられるようになりました。それもあって、次のステップに進むという我侭を言わせてもらって、退職させてもらうことになったわけです。
立つ鳥跡を濁さず。退職の絵面としては綺麗に納まったと思います。
ただ、「本当にこれで正解だったのか?」と思わずには居られないときもあります。技術的負債を返済できたのか?プロダクトの価値をどこまで向上させることができたのか?その価値を顧客に十分に屆けられているのか?そういう観点ではまだ道半ばでした。
プロダクトマネジメントに果敢に挑戦して変革する。そういう1年を追加で過ごすべきだったのかもしれません。エンジニア組織やデザイン組織が成熟した結果として、顧客に大きな価値を屆けられたと胸を張れるところまで走り続けるべきだったのかもしれません。
そうするよりも、外に出て気楽に仕事をしたいという気持ちがあったであろうこと、それについては正直に懺悔するところです。
これからのこと
2020年8月から新しく何をやるのかということですが、Mikatus がそうであったように、エンジニア組織の立ち上げに困っている会社が世の中には結構な数あるみたいです。そんな会社を助けるということを事業としてやっていきたいと前々から考えていました。
自分の会社を立ち上げて、札幌に拠点を置いて、エンジニアを採用する予定です。そして、困っている会社に営業して、最初は技術顧問として参画して、自分の会社からエンジニアチームを派遣して、開発文化や開発プロセスを定着させて、顧客の会社がエンジニアの採用からプロダクトの運用までを自立してできるようにするというようなサービスを提供できたらなと思っています。
それらの計画が、新型コロナウイルスの影響を受け、ちょっと頓挫しています。本来であれば今頃は、札幌に部屋を借りて、大学時代の伝手でインターンを探したり、勉強会に参加してエンジニアを探したり、そんなことをやってるはずでした。しかし現状は、東京から出ることなく、できるかぎりステイホームに努めるという状況が続いており、いつ日常に戻るのか、いつ計画を実行できる日が来るのかわかりません。
そういう背景があるため、起業を先延ばしにしつつ、フリーランスのシステムエンジニアとして仕事をしています。Mikatus に引き続き業務委託として週1日程度働かせてもらいながら、別の会社でも業務委託として仕事をしています。久しぶりの業務委託なので慣れないことも多いのですが、何とか安定稼働に向かっているという状況です。
当面の間、個人として仕事をする日が続きそうなので、改めて「土田 拓也」という人格と向き合う時間を持つことになりました。その一環で、屋号ではなく「土田 拓也」そのものを冠した Web サイトを制作してみました。会社名や屋号で包むことなく、自分自身をそのまま表現することに取り組んでみることにしたわけです。
この Web サイトでは、システムエンジニアとしてのセルフブランディングを兼ね、テクノロジやビジネス、ライフスタイルなどについて思惟したことを文章にしていくつもりです。それが「土田 拓也」という人格と向き合うひとつの方法になるのかなと思っています。
さて、1年前に思い描いていた状況とはかなり異なりますが、人生において内省する時期であると捉え、僕自身は現状を楽しんでいくつもりです。みなさまにおいても、現在の状況を前向きに捉え、健康な日々を過ごされることを祈っております。
最後に、これまでお世話になった方々に感謝をお伝えできればと思います。ありがとうございました。そして、引き続きこれからもよろしくお願いいたします。